「パイオニアプランツ」というのは、ある場所が裸地になったときに最初に芽を出して育つ植物のことです。その土地の風土にあった植物で、その土地の植生を切り開いていく存在。
私たちが暮らす信州伊那谷では、アカマツがパイオニアプランツ。何もないところに種が落ちて森への一歩目がはじまる。私たちも森の未来を切り開いていく開拓者になりたい、という想いを込めてpioneer plantsという名前をつけました。
pioneer plantsを開発する中で、ネックになったのは、アカマツの柔らかさ。一般的に家具に使われる広葉樹に比べて針葉樹のアカマツは柔らかくて軽い。そのため、荷重を持たせるために金属パーツを使うと木が金属に負けてしまう、ということが起こりました。
その問題を解決したのがロープを使うということ。柔らかい木と硬い金属ではうまくいかなったことが、強くてしなやかなロープを組み合わせることで、お互いがお互いを支え合うような構造に変わりました。
森で使う道具が、新しい家具を生み出してくれました。
pioneer plantのプロダクトは、家具職人の知恵と技術を生かしたものづくりをしています。ほぞ継ぎやあられ組といった木工の歴史が育んできた技術を使ってものづくりをしています。
無垢材を使う。そして金属のパーツを極力減らすことで、役目を終えたあともゴミになりにくいものを目指しました。